アクリルアミド~発がん性

大好きポテト!発がん性があるって本当?注意すべき食材は

04.07 18:25 All About

2002年、スウェーデン国立食品局(NFA)の研究報告によって、ごく一般的な食品や家庭料理にも含まれている「アクリルアミド」という成分に発がん性があることが指摘されました。

その報告では、高温で調理された炭水化物を多く含む食品に高濃度で検出されたとしており、特にフライドポテトやポテトチップスなどの検出率が高く、食品業界に大きな波紋を投げかけるものとなりました。

これにより世界中でアクリルアミドに対する関心が高まり、日本でも2011年に食品安全委員会において、「加熱時に生じるアクリルアミド」についての健康影響評価を行うことが発表され、2016年4月に食品安全委員会において健康への影響評価が取りまとめられました。

その評価によると、世界から敵視されたフライドポテトやポテトチップスは、実は日本人の場合は推定摂取量が意外に少ないのではないかとみられています。

アクリルアミドの摂取は高温調理された野菜からが56%

食品安全委員会では、日本人のアクリルアミド摂取による影響を見るため、平均的な摂取量を調べました。

食品中のアクリルアミド濃度と食品摂取量、摂取頻度などから、推定平均摂取量を算出。その結果、日本人の平均的な摂取量は、0.240μg/kg体重/日でした。

食品中に含まれている割合は、次の通りです。

・高温調理した野菜……56%

(炒めたもやし、炒めた玉ねぎ、炒めた蓮こん、炒めたキャベツ、フライドポテトなど)

・飲料……17%

(コーヒー、緑茶、ウーロン茶、麦茶等)

・菓子類・糖類……16%

(ポテトスナック、小麦系菓子類、米菓類等)

・穀類……5%

(パン類等)

・その他……6%

(ルウ等)

意外なことに、ポテトチップスなどのスナック菓子類などよりも、炒めた野菜や、カレー用にじっくり炒めた玉ねぎなど高温調理した野菜からの方が断然に摂取量が多かったのです。

また食事以外でも、飲料水(浄水で最大0.013μg/日)、喫煙は食事よりも影響が大きいとする報告もあります。また確定されたわけではありませんが、喫煙されていない方の受動喫煙にも配慮が必要です。

アクリルアミドが生成される仕組みと原因

そもそもアクリルアミドは、食品中のアスパラギンと果糖・ブドウ糖などの還元糖が、「揚げる」「焼く」「炙る」等の120℃以上の加熱調理をすることによって化学変化を起こし、食材に含まれる水分が減ることで生成されます。

アクリルアミドは動物実験から「遺伝毒性のある発がん物質」と判断されていて、この「遺伝毒性」とは遺伝子(DNA)を傷つけて、細胞をがん化させる性質があるとされています。ただし「遺伝」とは言っても、必ずしも「子や孫などに遺伝するものではない」とされています。

家庭でできるアクリルアミド対策! 調理のコツは和食にあり?

不思議なことに、「蒸す」「煮る」「茹でる」などの水を利用した調理ではアクリルアミドはほとんど含まれていませんでした。

こういうことから考えると、和食は、主食のごはんやめん類は炭水化物ですが、「炊く」「煮る」「茹でる」という調理が多いので、アクリルアミドについてはリスクの低い調理法といえるでしょう。

アクリルアミドに限りませんが、古くから伝わる食養生で「五味五色五法」というように、様々な食材を様々な味付けや調理法で食すということが、バランスの良い食事になるということは理にかなっていると思います。多様なものを多様な食べ方が食べることがリスク回避にもなるのです。

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