重量物を建物の床に置くとき(耐荷重、積載荷重)

「床の耐荷重」でWEB検索すると、
いろいろ情報が出てきますが、
ここでは、新しく入居する時ではなく、
今の部屋(室)に重量物を置くときのポイントをまとめました。

オフィスに、個室テレブースを置く
住宅に、ピアノを置く
店舗に、大型冷蔵庫を置く  
  ・・・

新たに床に重量物を置きたいとき、
床が抜け落ちたりしないか心配になりますよね


入居テナント(借主)、オーナー(貸主)は、どこをチェックすればよいのか?
 住宅室内の場合も、参考になると思います。

そもそも建築物を建てる時は、
どれくらいの重量を建物の床に乗せることが出来るのかを、
安全を見て想定して設計しています。
設計段階で、大型金庫を置くなら、それ用に床の強度を設計したり・・・

建築分野では、その想定した重量のことを「積載荷重(Live Load)」、
単位はN/m2で表現されます。(1kg=9.8N)
1m2当たり、どれくらい載せても問題ないかを表す数値です。

建築基準法(施行令第85条)に、部屋の使用目的による積載荷重が規定されていて、
図面や確認申請証が無い場合は、この数値で検討することになります。
積載荷重が記載されている図面がある場合もあります。

部屋の種類床の積載荷重
住居、居室、病室など1800N/m2
事務所、百貨店・店舗の売り場など2900N/m2
バルコニー1800N/m2
自動車の車庫や自動車通路5400N/m2

実際に、検証する場合は

構造体(躯体)の梁で囲まれた範囲(面積)で、検証する場合が多いです。

それは、床のどこに物を配置しても、
下の計算式で検証できるように考慮されているからです。

梁で囲まれた範囲の最大重量=積載荷重[kg/m2] ×梁で囲まれた面積[m2]
※梁は、大梁(柱と柱の間にある横材)
(1kg=9.8N)

設計時の積載荷重を超えないよう、配置を考えることが必要です。
設置物の足元に、ベニヤなどの緩衝材を敷くなどの配慮も必要です。

「積載荷重に含めない重さ」 もある

積載荷重に含めない重さ(固定荷重)は、以下のものがあります。

・柱や梁、床などの構造駆体の重量
・間仕切り壁、建具、アンカーなどで固定された什器
・床の仕上げ
・天井仕上げ、設備・照明などの吊り物
 シャンデリアなどの重量物は、別途検討必要です

パーテーション、家具は、梁で囲まれた範囲の重量に含める

また、フリーアクセスフロア(置床)があるコンクリート構造の場合でも、
その上げ床部分ではなく、コンクリート床をで評価します。
上げ床の重量は、設計時にその想定で計算されているからです。
 ※後付けの床の場合は、その重量を含める必要があります。

規模によりますが、複数スパンで重量物の設置を計画するのであれば、
建物全体の検討も必要になってしまいます。
※これは、構造設計事務所にお願いする事項になる

余談・・・床ではないですが

「屋上の壁に、携帯のアンテナを設置したり、
 そのためのバッテリーやら付属機器までも壁に設置したい」

といった要望があったときには、
その方(会社)に、構造計算検証が必要だと伝えました

受領資料の膨大な事・・・

ビルの高い位置の壁に、重量物を幾つも取り付けるなんて
感覚的に不安を感じますよね

厨房を新たに設置する場合は

厨房などでは、床から下階へ漏水しないようにアスファルト防水します。

アスファルト防水にモルタル保護(湿式)した場合、
㎡あたり200kgのシンダーコンの荷重がかかる想定

この分は、什器の重量に足して、積載荷重の検討をしなければならない。

床にダムウエアーの穴をあけた。退去する時、床を復旧した

ダムウェーター(小荷物専用昇降機)とは、
荷物を運搬するための小型エレベーター。
荷物専用の為、人は乗れない。

2階以上のフロアにまたがる飲食店(そば屋、中華料理店)で見かけますね

復旧工事をした時の、工事経過を写した写真がなかったり、
オーナーが現地確認していなかったら
穴埋めした部分の強度って大丈夫なのか?
そこは、コンクリート造の建物だったので、
鉄筋とコンクリートで穴埋めして復旧していると思いますが・・・

心配だったら、1例として
「鉄筋がちゃんと入っているか」
確認できる方法をお伝えします

床の中の鉄筋状況を、壊さなくても確認する方法です

・レントゲン調査で、穴があった部分を撮影する方法

・レントゲンは費用が掛かるand難しい場所だったら、金属探知機を使う方法

どちらも業者に頼まなければなりませんが、
金属探知機は、そこまで専門性が無いのです

金属探知機(ボッシュ D-tect200)の調査写真
 200㎜厚のコンクリート内の状況がわかる

参考にしてくださいね


非公開: 参考 床荷重(耐荷重、積載荷重) – オレンジのタネ (daidaiblue.com)

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